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施政方針演説に対する代表質問

2009年1月29日(木)

民主党の鳩山由紀夫です。

麻生総理の施政方針演説は、最初にして最後となるであろうと考えます。憲政に恥じない質疑にいたしたいと考えます。

質問は、麻生総理の昨年の所信表明に際する例にも倣い、麻生総理に対してだけではなく、連立与党に対する質問でもあります。麻生総理のように答弁を強制することはいたしませんが、国民のみなさんが真剣に耳を澄まされていることをお考えになり、国民に対して、自由民主党の細田幹事長、公明党の太田代表から、明快な方針をお示しいただければと存じます。

【政治の原点、国会のあり方を問う】

日曜日に実施された山形県知事選挙では、新人の吉村美栄子さんが初当選を果たし、自民党が応援した候補者は敗れました。また、直近の世論調査でも内閣支持率は、下げ止まらず、十パーセント台であります。

麻生内閣はすでに国民の支持を失ったのです。総理就任以来わずか四か月、もはや麻生総裁のもとで選挙をやりたいという人は、自民党、公明党の中にも、総理ご自身以外はおられないのではないでしょうか。すでに愛想を尽かして離党された大変賢明な方もおられます。

麻生総理が今日も総理でいられるのは、さすがに選挙を行わないままでの四回目の政権のたらいまわしに躊躇し、同時に、現状では選挙の顔となるべき新たな顔が見当たらないという与党内部の事情に尽きます。

偉大な先達である尾崎行雄先生は、「わが遺言」の中で、「真実の、合理的なそして良心的な政治を作れ」と言われました。日本の危機を乗り越えるためにも、いまこそ良心的な政治という言葉を国会議員すべて、とくに与党のみなさんがいま一度噛みしめるべきと考えます。

国民のみなさんの審判によって参議院で野党が多数を占めて以来、衆議院における三分の二議席を利用した与党による再議決が繰り返されております。そもそもなぜ参議院で与党が過半数を割ったかと言えば、そこに自民党も公明党も少しは国民の意見を聴き、国会の良識を取り戻せという国民の声があるのです。

すなわち、国民の声に従って国会で互いに真摯な姿勢で議論し、成案を得ることが有権者の期待であったと思います。与党は補正予算と当初予算の並行審議などという暴挙をちらつかせ、両院協議会も形骸化に終始させていますが、本来は国民の声を真摯に受け止めるのが政治の良心であるはずです。

定額給付金に対しては、七割を越える国民が、いまの暮らしは厳しいけれども二兆円はもっと有効に使うべきだと反対しています。今日の糧に苦しみ、住む家もない失業者、生活保護を受けている母子世帯の方々、差別に苦しむ障がい者のみなさん、いつのまにか自民党、公明党によって「後期高齢者」と呼ばれるようになってしまったお年寄り、日本の経済を支えてきたにもかかわらず、いまは倒産の危機に瀕している中小零細企業のみなさん、子育てや医療、介護従事者など、二兆円の使い道がこうしたみなさんに手を差し伸べることであるなら、国民のみなさんも拍手を送ると思います。

しかし、政府の財政制度等審議会をはじめ経済界や学識者も批判している、丸投げされた地方自治体も困っている、そして自民党の多くのみなさんも心の中では反対していることを、なぜここまでごり押ししようとしているのか、私はもとより国民のみなさんもまったく理解できないのではないでしょうか。

自民党、公明党は、なぜいま国民の声に従えないのでしょうか。なぜ連立与党内で妥協できて、国民とは妥協できないのでしょうか。

民主党は、他の野党のみなさんとともに、今後もこの定額給付金には反対し、撤回を求めていきます。それはこれが究極の大愚策であり、悪質な選挙買収であり、税金のムダ遣いであるとともに、国民の意思を踏みにじるものであるからです。麻生総理、そして自民党と公明党の代表質問者にもご所見を問いたいと考えます。

【天下り-羞恥心の回復を求める】

国会のあり方ばかりではなく、法治国家としての根幹を揺るがす、常識を逸脱している自民党と公明党の政治の象徴として、官僚の天下りの問題があります。

法律で「天下りバンク」をつくり、天下りを承認するために設置しようとしたのが「再就職等監視委員会」ですが、民主党がその国会同意人事に反対したため、設置できていません。総理が委任した機関ですから、それが構成されない以上、少なくとも法律を変えなければ、天下りは認められないはずです。しかし麻生総理は、この法律に反して総理が直接天下りを承認できるという政令を閣議決定し、しかも何回も天下りを重ねる天下りの渡り行為さえもこっそりと政令にもぐりこませることを認めました。

法律違反を認めることは法治国家の否定であります。さすがに自民党も公明党も国民の批判を受けて、政令の撤回を形だけ求めたようですが、麻生内閣はこれを受け入れず、法律違反の政令はそのままです。元社会保険庁の長官は、五つの法人を渡り歩き三億円近くの収入を得ていたとされています。

天下りの斡旋は全面的に禁止し、公務員も退職したらハローワークに行くべきです。私は、優秀な人材を活用するというなら、不明朗な肩たたきによる早期勧奨退職制度を廃止し、定年も延長して、国民の奉仕者である公務員のみなさんが国民に後ろめたさを感じない制度にすべきだと思っています。

官僚を腐敗させているのは官僚ではなく、政治家です。天下りにより、優秀な人材を萎縮させ、陰湿な縄張り意識を醸成させ、国民に対する背信行為を重ねさせています。政治は羞恥心を回復するべきです。

麻生総理、そして自民党、公明党の代表質問者に伺います。なぜ法律に違反する政令を認め、厳格な運用などといって国民をだまそうとするのですか。官僚腐敗は政治に責任があるとは思いませんか。公明党は連立与党として官僚の天下り・渡りを認めながら、総選挙のマニフェストにはなんと書き込むのか、見解を明確にお示しください。

【新しい日本の姿】

国民のみなさん、民主党は一貫して「国民の生活が第一」を理念として、国民主権、地域主権にもとづく国民の「新しい生活」を築く政策を実行することを公約してきました。

民主党が中心の国民政権が誕生すれば、政治と行政の仕組みを根本から変えます。第一に官僚主導の政権から国民主導の政権へと脱皮します。そこでは政策の基本は政治家がつくり、官僚は行政の執行にあたり本当の意味で国民の奉仕者となります。第二に、この国民政権は、特別会計もあわせて二百数十兆円になる国の総予算を全面的に見直し、国民生活に必要な分野から優先的、集中的に配分する国民予算をつくります。第三に、与党と政府が一体となって政権運営に責任を持ち、国民には理解できない政府と与党の使い分けを止め、政策決定過程を透明化します。第四に、国と地方の役割、事業を改めて仕分けし、ひも付き補助金は一括交付金とし、国から地方に権限と財源を大幅に移譲し、保育や教育、学校現場の改革も含めて、住民の声が行政に直ちに反映される地域主権の日本をつくります。

その結果、日本はどう変わるのでしょうか。第一に、国のムダ遣いがなくなり、財政の健全化も進みます。第二に、年金、医療、介護、教育、子育て、農林漁業など社会や地域のセーフティネットが再生され、今と将来への国民の安心が回復します。第三に、地域主権の確立で、地域が思う存分に力を発揮し、元気になります。その結果、内需も拡大します。第四に、無節操な市場万能、カジノ資本主義経済は、公正なルールのもとで本来の「人間のための経済」へと是正されます。第五に、日本の民主政治に新たな扉が開かれ、国民一人ひとりが主権者として政治に自覚と責任を持って参加するようになります。第六に、国民主権の回復と地域主権の確立により、一人ひとりが多様性の中で自立し、わが国の伝統的価値観である和を大切にして助け合う友愛にもとづく共生の社会、自立と尊厳の国家が実現します。

例えば、自立と共生の社会は、外交とも無縁ではありません。国内でアイヌ先住民族の歴史と文化を認め、在日外国人の人権を尊重することが国家の品格を創り出し、海外の信頼を勝ち取る道となります。

麻生総理の言う、新しい秩序とか、安心と活力のある社会は、理念でもビジョンでもなく、単なるスローガン、国民を上から見下した権力者の我田引水でしかありません。

【ホンモノの安心・安全を創る】

具体的な政策のいくつかを喫緊の課題に絞って申し上げ、質問します。

麻生総理は今日の不況と失業の深刻さを他人事のように述べましたが、私は改めてこれは政治災害であると申し上げたい。なぜなら、昨年末から失業した人々が住む家もなく、路頭に迷うという事態がさらに深刻になっているからです。政府は三月末までに雇い止めや派遣切りで職を失う人は八万五千人と言っていました。しかし、製造業の派遣・請負企業の業界団体は、四十万人が失職するとの見通しを示し、民間のシンクタンクはもっと深刻な見通しすら示しています。総理が無責任かつ根拠のない楽観論に立たず、民主党をはじめ野党の提案を受け入れ、緊急雇用対策四法案を成立させていればここまで深刻にはならなかったはずです。

民主党は、無責任な首切りを止めさせ、失業者の救済と再就職を支援することを提案しています。また、失業をさらに増大させることのないよう、現実に即した経過期間を設けながら製造業への派遣の規制を行うべきだと考えます。さらに、三十一日以上の雇用期間がある人に雇用保険を適用することも提案しています。

何より大切なことは、継続的な安定雇用の場をつくることです。介護や医療、農林水産業、環境などの分野では、労働力不足や成長の余地がたくさん放置されており、政治の力で産業掘り起こしと雇用の創出をはかるべきです。わが党の小沢代表は、将来につながる地域密着型の雇用創出と経済対策として、太陽光パネルの徹底普及を中核とした「環境のニューディール」、学校や病院の耐震化を中核とする「安全・安心のニューディール」、介護や医療における人手不足の改善などを提案しています。

麻生総理は三年間で一六〇万人の雇用創出などと謳っていますが、本当にそれができるのか、一六〇万人雇用の具体的な内容、それぞれの予算額を具体的に示していただきたいと考えます。

そして、麻生総理、与党である自民党、公明党の政策と予算で失業の拡大が本当に止まると考えるのか、また労働者派遣法の改正に製造業に対する派遣規制を含めなくても雇用は守られると考えるのか、国民に責任ある明快な見解を示してください。

次に、抜本的に見直すと言ったきり放置されている後期高齢者医療制度の問題です。民主党はこの制度を廃止し、医療の一元化をはかり、年齢で差別するような世界に例を見ないお年寄りいじめの制度を根本的に改めるべきだと主張しています。

政府は一年かけて見直すと言いながら、負担軽減や天引き免除など小手先の懐柔策でごまかしを続けていますが、悲劇は続いています。

医療や介護現場の厳しさも相変わらずです。民主党は、医師の不足や偏在対策、特に女性医師や看護師が働き続けられる環境整備や支援策、小児救急医療や周産期医療、緊急医療体制の充実、地域総合病院の維持と地域医療の再建、介護現場の報酬や労働条件の改善などを公約し、国民政権では誠実、着実に実施していきます。

これに対して、今日の医療の崩壊、介護現場の荒廃を招いた政府、与党である自民党、公明党は、この事態をどう具体的に改善しようというのですか。後期高齢者医療制度をどのように見直すのでしょうか。政府、与党の明快な解答を国民に出していただきたいと考えます。

わが国の社会保障制度崩壊の象徴が年金問題です。民主党は、「消えた年金」「消された年金」問題は、国家プロジェクトとして政府総がかりで各省から職員を動員し、短期間に解決と救済を実現することを提案しています。

せっかく年金記録の訂正が認められても、増額分の支払いまで平均九か月、約九十万件の処理が滞留しているといいます。「生きている間にきちんと受け取れるのか」、ご高齢の方から不安の声が絶えません。

また、民主党は、「年金通帳」で「消えない年金」にすると提案しています。年金を一元化して公平で透明な年金制度の抜本改革案を示していますが、自民党、公明党は百年安心といった手前か、改革の具体案を全く提示しておりません。

この際、麻生総理、自民党、公明党に、国民を代表して問います。「消えた年金」「消された年金」は、いつまでに解決するのですか。もらえるはずの年金をもらえないで亡くなられたお年寄りにどのように謝罪するのですか。今後も「百年安心の年金プラン」と空文句に胡坐をかくのですか、国民にはっきりとお答えください。

いま、日本のふるさとが崩壊しています。農林漁業の再生は、地域社会の再生とともに、自然環境を保全し、食の安全と安定提供の基礎となります。民主党は「戸別所得補償制度・直接支払い制度」を創設して、安心・安定して農林漁業に取り組めるようにします。これはわが国の食料自給率を著しく向上させるものであり、すでに提出した「農山漁村再生法案」に盛り込まれています。

総理は施政方針で農政改革に触れましたが、小手先のメニューを並べただけで、食料自給率向上のためとして六百三十億円を申し訳程度に付け足しただけです。

麻生総理と自民党に伺います。農林漁業に対する戸別所得補償政策を批判していますが、どのような政策で日本の農林漁業を再生させ、食料自給率を高めるのですか。対案を示してください。石破農水大臣は、廃止も含めて減反政策を抜本的に見直すと表明しています。総理は減反政策を止めるのですか。伺います。

中小零細企業は不況に苦しみ、日本の誇るモノづくり産業は倒壊の危機に瀕しています。民主党は、中小零細企業の法人税軽減税率半減や、貸し渋りや貸し剥がしの根絶、公的融資に際する個人保証の廃止をはじめとする積極的な中小企業振興策を提案しています。麻生総理には現実に倒産している中小零細企業を救い、再建する意思はあるのでしょうか。総理は、中小企業への融資の額や保証などの額を得意げに読み上げましたが、ではなぜ倒産は増えているのでしょうか。もっと積極的な中小零細企業の振興策を進める必要性を感じないのでしょうか。麻生総理の責任ある答弁を求めます。

いま地方財政は、戦後最大の危機を迎えています。麻生総理は道路特定財源をめぐる騒動の中で、地方交付税を一兆円追加しました。しかし、小泉内閣のエセ「三位一体改革」の際、総務大臣だったあなたこそ、五・一兆円もの地方交付税を削減させた張本人ではありませんか。

加えて政府は、道路特定財源については暫定税率を維持したまま、国土交通省の「地域活力基盤創造交付金」へと看板を架け替えて、引き続き道路と関連公共事業に使う仕組みにすりかえようとしています。まさに一般財源化とは名ばかりのまやかしです。

民主党はまず、ひも付き補助金は一括交付金として自治体が自由に使えるようにいたします。

道路財源については、暫定税率を廃止し、財源のすべてを文字通り一般財源化し、その上で必要な道路整備は予算配分の中で進めるべきと提案しています。もちろん、国の直轄事業負担金は廃止します。高速道路は一時的な割引ではなく、大都市部を除き原則無料化します。

さらに、郵政民営化の現実の姿も地方の住みにくさを拡大しています。民主党は郵政事業を国営や公社に戻すのではなく、国民政権を樹立した後に国民の声、地域の声に真摯に耳を傾けながら、現実を冷静に検証し、抜本的に見直して参ります。「かんぽの宿」に象徴される日本郵政株式会社の資産売却問題も透明性を確保します。

民主党がめざすのは地域主権、住民自治の確立です。政府・与党は一体何をめざしているのでしょうか。また、「地域活力基盤創造交付金」は一般財源であるなら何に使っても良いはずですが、事業内容を制約するのはなぜですか。暫定税率はどのような理由で、何年延長するのですか。麻生総理の答弁を求めます。

【国民に信認されていない政権で外交はできない】

次に、外交政策について伺います。

総理は、昨日の安全保障会議で、ソマリア沖の海賊対策に海上自衛隊を派遣する準備を急ぐように指示したとのことです。とりあえず海上警備行動で自衛艦を派遣し、その間に新法制定を検討するとも伝えられております。

私は、海賊問題の根本原因はソマリアの内政問題であると認識しています。国際社会と協力して、海賊対策に日本が貢献することは重要だと考えています。しかし、なぜ海上保安庁では対応できないのですか。武器使用基準、警察権と交戦規定との関係はどうなるのですか。すべて自衛隊に丸投げし、武器使用基準も非公開というのではシビリアン・コントロールなどなきに等しく、自衛隊を外交の道具として弄ぶこととなってしまうなど、多くの疑問が指摘されています。麻生総理は自衛隊の最高指揮官でもあり、自衛隊員にも国民にも説明責任を果たす義務があります。指摘されている疑問に明確にお答えをいただきたいと存じます。

先週、米国でオバマ政権が発足しました。米軍再編や基地問題など二国間関係はもとより、金融・経済危機や地球環境問題への対応、テロ撲滅や核・大量破壊兵器廃絶など世界の平和と繁栄のために対話を深め、従来のような対米追随の路線から脱皮して、対等なパートナーとして両国の関係を強化・発展させなければなりません。

北朝鮮の拉致問題も進展しておりません。今後、どのように北朝鮮と交渉を進めるのですか。核問題も進展せず六か国協議も停滞したままです。

アフガニスタン政策やイラク政策、また今回の中東ガザの件においても、日本外交の顔はまったく見えません。

要は麻生内閣、自民党、公明党の連立政権では、自立した外交、積極的な外交はできないことを事実が証明しています。麻生総理が外交を重視するなら、方法は一つです。わが国において国民に本当に信認された政権をつくることです。なぜ国内で支持されないあなたが、海外で信用されていると胸を張れるのか、その根拠を示してください。

【消費税増税の内容を示せ】

さて、政治に対する信頼という重大な問題である消費税増税について問います。私は、いまなぜ消費税なのか、それがわかりません。

総理は、当初から自分が言っていた通りに決着したと発言されております。それならば全治三年と約束した景気回復を前提に、二〇一一年度に消費税を上げるという公約は変わらないのか、それとも腰砕けで二〇一一年度の消費税増税はあきらめたのか、はっきりしていただきたいということです。総理、自民党、公明党、それぞれの明確な見解をお述べいただき、公約をはっきりさせていただきたいと考えます。増税派と慎重派の間で文言をごまかすことは出来ても、国民をごまかすことは許されません。

そして、増税分は何に使われるのでしょうか。まさか歴代の自民・公明政権でつくった借金の穴埋め、そして麻生内閣のバラマキの穴埋めに使われるとは思いませんが、社会保障に使うと言っても、年金の何に幾ら使うのか、医療の何処に幾ら使うのか、介護をどうすることにより幾ら必要なのか、明らかにしないと国民も納得せず、もとより増税を語る資格すらないと考えます。同時に一挙に五%上げるのか、段階的に上げるのか、国と地方でどのように配分するのかもお示しいただかないと、麻生内閣と与党の増税方針に納得する国民はおりません。民主党はムダ遣いや天下り、そして渡りの根絶とバラマキの排除を徹底しない限り、消費税の増税議論は国民の理解を得られないどころか、国民経済の足を引っ張るものと考えます。

麻生総理は、詳しく増税の根拠と内容をお示しください。

【政治の信頼を取り戻す】

最近、選挙制度の見直しや議員定数・歳費削減などの話題が政府・与党内で上っているようです。

身を切るのは結構なことです。しかし、選挙に負けそうだから選挙制度改革、一院で逆転され思うようにならないから一院制、人気回復のために議員定数削減、歳費削減というのでは、定額給付金と同様、国民の誰もだまされず、政治不信をさらに拡大することになります。

民主党として、麻生総理、自民党、公明党に対して、本当に自らの身を切る方法を提案いたします。

その第一は、まず官僚の天下りを根絶し、官僚に依存する官僚政権という汚名を返上することです。

第二に、ひも付き補助金をなくして族議員の利権を返上し、地域主権を確立することです。

第三に、議員定数の削減は、すでに民主党が具体的な提案をしています。公明党が言う中選挙区制の復活などではなく、国民が求める衆参の一票の較差を是正すると同時に、定数削減の具体策を示すことです。

第四は、百害あって一利ない派閥を解消することです。派閥や長老が良識を押さえ込み、天下りと消費税増税を認めることにより既得権と権力にしがみつこうという自民党政治を続ける限り、国民はもはや自民党を信用しないと思います。

そして第五は、身を切るというなら、国民が求める政治資金の透明化をさらに進めることです。例えば、自民党政党支部は七千もあり、膨大な献金を受け、また収支報告もままならない支部もあると聞きます。この際、例えば法定監査の範囲をすべての政党支部にも広げてはいかがでしょうか。

また第六に、そんなに自民党が身を切りたいのなら、自民党本部のある土地は国有地であり、それを国民に返すことを提案いたします。自民党は政治資金も潤沢であり、国有地を返上しても実際には痛くも痒くもないと存じます。

まず国民へのごまかしではなく、身を切るなら真剣にいま自分たちができることを実行し、制度改革であるなら責任ある提案をすべきです。民主党の提案のうち、何はできて、何はなぜできないのか、麻生総理、自民党、公明党の見解を問います。 

【なぜ民意を問わない】

私は総理の施政方針を伺い、さきほども申し上げたとおり、平板な言葉の羅列を聞いて、改めてがっかりしました。私は決して逃げませんと言いながら、国民の審判から逃げまくっているのは誰ですか。

総理は、米国のオバマ大統領の就任演説をお聞きになられたでしょうか。オバマ大統領は「いま私たちに求められているのは、新たな責任の時代だ。それは、一人ひとりの米国人が、自分たち自身や国、世界に対する責務があると認識することだ」と、米国民に対して責務を問いかけました。民主党の小沢代表も党大会において敢えて主権者の責務を問いました。ところが、麻生政権は相変わらず、「ばらまくから有り難く思いなさい。だから選挙で応援しなさい」という発想で国民を見おろしています。

国民の期待に応えるように政府が機能していないとき、真摯に国民に問いかけ、国民の判断を仰ぐ。その結果、国民の支持を得た新たな政権が生まれ、国民が必要とする政策を力強く実行していく。これこそがまさしく民主主義、国民主導の政治の力ではありませんか。日本の未来、新しい国民生活を創るのは、まさに国民自身です。主権者たる国民が決意し、力を合わせれば、政治を変え、どのような困難でも乗り越えていけると私は信じています。

これだけ支持率が下がると解散権を行使できないという私利私欲、党利党略はあるでしょうが、それが国益を損ない、国民の災いのもとになっています。麻生総理の一刻も早い決断を促し、私の代表質問を終わります。

国民のみなさん。ご清聴ありがとうございました。