

新しい公共とは、支えあいと活気のある社会を作るためのさまざまな当事者たちの「協働の場」です。
1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災。
6千人以上もの命が失われた大きな悲劇でしたが、行政も被災し企業や商店の活動が止まった地震直後の被災地で、人々の生活を支えたのは、被災者たち自身が自発的に作った即席の共同体、NGO/NPO、全国から集まったボランティアが作った「協働の場」でした。100万人以上も集まった被災地の支援者たちも、自分がいることで人の役に立ち、被災地からの感謝が自分の歓びとなり活力ともなったのです。
人は支えあうことで共に生きてゆけるのです。「居場所」と「出番」。それが「新しい公共」の原点です。

「新しい公共」とはけっして新しい概念ではありません。そもそも、日本に古来からさまざまな形で「支えあいと活気のある社会」を作るための知恵と社会技術がありました。公共はけっして官だけが担うものではなく、例えば教育制度でも、各地に藩校が置かれた一方で、1万5千校もあったと言われる寺子屋という民の教育システムがありました。火消しや身廻り組も組織されていました。茶の湯のような文化活動から経済が発展もしてきました。
ところが、明治以降の近代国家への移行の過程で、「公共」=「官」という意識が高まり、国民が社会全体の中で役割を果たすという気概が希薄になってしまいました。そこで今、公共が民の中にあったかつてを思い出し、希薄になった気概を取り戻すため、「協働の場」を再構築したいと考えています。教育、文化、医療、福祉、介護、防災、防犯、環境、経済と言った分野において、私たち国民、企業やNPOなどの事業体、そして政府が協働することでよって、日本社会に失われつつある支えあいの心を取り戻すこと、それが「新し公共」の目的です。
