
2011年10月19日・20日
10月19日から20日,鳩山代議士は四川省成都市を訪問し,19日午後9時から劉奇葆・四川省委書記と会見した他,翌日の第12回西部国際博覧会開幕式及び第四回中国西部国際協力フォーラムに参加し,併せて四川日報によるインタビューを受けたところ,会見の概要及び四川日報によるインタビューの記事概要は以下のとおりです。
(1)冒頭、劉奇葆・四川省委書記は歓迎の意を表明したのに続き,今回が初めての四川省訪問となる鳩山元総理に対し,四川省の発展状況について以下のとおり紹介した。
(ア)四川省は人口,資源,観光,文化及び科学技術等の分野において中国西部の大省であり,とりわけ観光については三国志にまつわる遺跡や「九寨溝」で知られる他,パンダの故郷でもある。2008年、四川省ではブン(さんずいに文)川大地震が発生し、その後の世界金融危機にも直面したが,震災後2年足らずで震災前の経済水準を回復し,経済を加速する軌道へ乗せることができ,2009年には14.5%,2010年には15.1%と2年連続で全国でもトップレベルのGDP成長率を実現した。四川省の人口は約9000万人,昨年のGDPは1兆7000億元で全国第8位,西部ではトップの座にある。
(イ)震災発生から2年間で基本的な復興作業を完了し,3年で完全に回復した。10万平方メートルに及ぶ住宅を完成させ,学校,病院等のインフラは震災前以上に充実している。地元住民は,震災後の復旧事業により,3年間で20年分の発展を遂げたと評価しており,現在成都市内から車で40分程離れた被災地に行っても聞かなければそこが被災地と気づかないほど復興している。今回は貴元総理の日程の都合でご覧いただけないのは残念であるが,ブン川大地震発生後,日本政府及び日本国民から1億元もの支援をいただいたこと,また,最も早い段階で緊急援助隊を派遣していただいたことに対し,この場を借りて感謝申し上げたい。3・11東日本大震災及び津波が発生した後,我々はできる限りの支援を行ってきたが,今後被災地が復興していくと信じている。
(ウ)四川省は中国西部地域の対外開放における最大の窓口であり,最も重要なプラットホームである。四川省には既に世界500強の企業の内219社が集結し,西部地域に対する影響力と牽引力は日増しに強くなっており,既に中国西部の重要な経済センターとなっている。
(エ)四川省と日本の交流の歴史は長く,日本は我が省にとり重要な貿易・投資のパートナーである。先進国日本と発展途上の地域である四川省の間には協力する余地は非常に大きい。昨年度の日本との貿易額は30億ドル,今年は上半期だけで既に22億ドルに達している。トヨタ,日立,シャープ,コベルコ等をはじめ370社もの日本の大企業が四川省に投資している。とりわけ,トヨタのコースターとプラドの売れ行きは好調で震災後は年間5万台の生産を行っている。また,イトーヨーカ堂の2号店は世界トップの売り上げ,1号店は第3位の売り上げを記録しているなど,その他の企業も順調に発展を遂げていると聞いている。
(オ)西部国際博覧会は中国西部最大の博覧会であり貿易,投資,外交の重要なプラットホームとなっている。数10万の見学者と7万人余りのバイヤーの他,多くの政府関係者や要人も参加している。中国西部のみならず中国全土においても最大級の博覧会であり,毎年の契約総額は広州交易会に次ぐ規模である。52カ国・地域と15の中央機関及び12の西部の省市に加え新彊生産建設兵団等が参加し,商務部等の国家リーダーも開幕式に出席している。今年で12回目となる西部国際博覧会に出展している日本企業は例年より遙かに多く(当館注:関係者によれば約60社の由),このようなプラットホームを通じ,中国に対する理解をより一層深めてほしい。理解は協力の一歩であるので,今回の訪問を成功裏に終えることを祈っている。
(2)これを受け鳩山代議士は,夜遅くの会見に集まっていただいたこと及び劉奇葆書記の四川省に関する説明に感謝の意を表したのに続き以下のとおり述べた。
(ア)初めて成都を訪問し,非常に魅力的な都市であると感じている。私の妻は5年前に成都を訪れた際,パンダを抱くことができたことを非常に喜んでいた。明日から臨時国会が開催されるため今回はパンダに会いに行く時間はないが,今度またゆっくりお邪魔したい。今朝ソウルで日中間学術フォーラムに出席し唐家セン元国務委員にお会いした際,今晩成都を訪問することを伝えると,成都には劉奇葆という大変優秀な書記がいると仰っていた。ブン川地震発生後,四川省が困難を克服し,僅か3年で復興を成し遂げることができたのは,貴書記の指導力によるところが大きい。改めて地震で亡くなられた方々に対しご冥福をお祈りする。
(イ)3月11日に東日本大震災が発生した後,中国には多大なご支援を賜った。四川省の学校や病院等では地震発生の翌日から日本への恩返しとして募金活動が開始されたと聞いており,被災地を支援していただいたことに対し心から感謝したい。我々は貴書記の卓越したリーダーシップとブン川大地震を乗り越えた方々の経験に学びたいと考えている。現在,東日本大震災で被災した方々は苦難の日々を送っているが,四川省と同様に必ずや克服できると信じている。今回の大震災では,ブン川大地震と異なり,原発事故が発生し,中国等の国際社会にご迷惑お掛けしたことは申し訳なく思う。事故の状況は改善してきており,復旧までに時間はかかると思うが,今後も世界の英知を集結し問題解決に取り組んでいきたい。
(ウ)今回西部国際博覧会にお招きいただいたことに対し改めて感謝を申し上げる。日本からも多くの企業が関心を寄せており,東日本大震災の被災地の企業も参加している。この地域の発展は日本全体の発展にも繋がるので,これらの企業の投資活動にも是非ご協力願いたい。改めて夜遅くにお集まりいただいたことに感謝を申し上げる。(これを受け,劉書記より,より多くの日本企業及び日本人の四川省への来訪を希望している旨述べ会見は終了した。)
(1)「四川省は非常に魅力的な地域である」
記者:今回が初めての四川訪問と聞くが,パンダの故郷に対する第一印象は何か。
鳩山由紀夫:19日夜,我々の航空機が成都に降り立った時,空は既に暗くなっていたが,成都の光り輝くネオンを目の当たりにし,これは非常に魅力的な場所であると感じた。本日も道中での見聞により,成都が近代化した大都会であることを認識した。
3年前に四川省は大地震を経験したが,今回私が目にしたのは,素晴らしい復興を成し遂げた姿であった。四川省の人々は復興によりこの地域の発展は20年早くなったと説明してくれた。私は,成都を中心とした発展は素晴らしい前途と大きな潜在力があると信じている。
四川省ははじめての訪問であるが,パンダの故郷についてはかねがね耳にしており,数年前,私の妻は成都パンダ発育研究基地を訪れ,非常に喜んでいた。今回は日程の都合でパンダを見られなかったのは残念であるが,次回の楽しみとしたい。
(2)「四川の経験は日本の復興再建にとり参考価値がある」
記者:近年来,四川省と日本は大地震を経験したが,災害復興と災害対策において,どのような経験を相互に交流することができると考えるか。
鳩山由紀夫:大災難の中で一般市民の生活は大きな打撃を受け,どのように再び立ち上がるのか,また今後どのように災難に対処するのかについて,我々はお互いの経験から学ぶべきものは多いと考える。我々はブン川大地震発生後,貴省の人々が積極的に故郷の再建に力を尽くしていく中で,僅か3年余りの時間で困難を克服し,素晴らしい故郷を新たに再建した姿を目の当たりにした。我々はブン大地震の災害対策と迅速な再建実現の経験と有効な方法に学びたいと考えており,且つ,これらの方法は参考価値を持っていると信じている。
記者:四川ブン川大地震の際,日本の各界から貴重な援助と支援をいただき,また,今年の東日本大震災の際には、我が省もできる限りの支援を供与したことは、中日両国民の理解と友誼を増進させたと考えるが如何。
鳩山由紀夫:全くその通りである。3・11東日本大震災の後、中国をはじめ多くの国際社会から多大な援助をいただいた。とりわけ,災害発生の2日目に四川省の人々が日本の被災地に向け募金活動を行い,暖かい心の支援を与えてくれているのを目の当たりにした。ここで,四川省の人々の真心と友誼に心から感謝したい。現在,日本政府,地方公共団体及び日本国民は一致団結し災害復興に尽力しており,皆様の支援の下,日本は必ず再び立ち上がれると確信している。
記者:西部博覧会は中国西部と貴国の経済貿易関係の強化にどのような意義があると考えるか。
鳩山由紀夫:今回の西部博覧会には日本国内で組織された多くの企業が出展しており,このことは,中国西部と日本の貿易の往来に大きな意義があると考える。今後,より多くの日本企業が西部博覧会というプラットホームを通じ中国西部に対する投資に参加していくことであろう。同時に,日本企業の出展が今次博覧会の内容をより一層充実させていると信じる。日本の大企業だけでなく中小企業,とりわけ今回出展している企業の中で被災地から足を運んでいる企業にも注目して頂きたい。なぜなら,日本の中小企業が日本経済の発展を強く後押ししているからである。日本の中小企業により多くの投資のプラットホームとチャンスが提供されることを希望している。(了)